最終章

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------------- 葵へ。 今貴方の寝顔を見ながらペンを走らせています。 貴方はぐっすり寝ています。 起きないように、そうっと書いています。 葵、私を助けてくれてありがとう。 希望を持たせてくれてありがとう。 出会い方は最悪でした。 数年後、あんな形で再会して、住むことになって。 最初は戸惑いました。 夫の元恋人と住むことになるなんて。 最初は貴方を恨んでいた部分もあります。 憎たらしくていつか殺してしまいたいとも。 これを聞いて驚くかもね。 でもね、初日に葵と歪な空気で話しているうちに、過去の自分を見ている気がした。 ああ、この子は弱いんだ、脆いんだと。 それから、脆い物同士で過ごしたら何が起きるんだろうって興味本位で住むことにした。 まさか愛し合うなんてね。 私が女性を愛せるのを教えてくれたのは葵でした。
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