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ジャングルの中のトークタイム
「優斗君ってさ。コロッセオ、って知っているよね?」
「?? 知っている。でも、何故その話題?」
「いやぁ〜、テレビで特集されていて!興味持ったから調べたこと喋りたいな〜って!」
縁種がそんなことに興味を持つとは。意外だ。
コロッセオはローマにあるアリーナのような建造物。俺は、これくらいしか知らない。地理とか歴史とか嫌いなんだよ。
「この前テレビで特集されていたんだけどさ。正式名称は、『フラヴィウス円形闘技場』。サーカスのようなことや体操競技などにも使われていたけど……。」
「けど?」
「猛獣同士や剣闘士同士の戦い、もしくは人間VS猛獣の、猛獣狩りも行われていたみたい。凄いよね〜!」
怖っ。子供の頃、遊びで「猛獣狩りに行こーうよ!」とかやっていたけど、そんなに怖いものなのか。「槍だって持ってるし、鉄砲だって持ってるもん!」と言っていたけど。
彼女の話を聞いたら、鉄砲じゃなくてバズーカをくれ、と思ったやつが俺以外にもいることだろう。きっと。
「それでさ〜……ちょっとお腹空いた。優斗君も、これ、食べる?」
そう言い、縁種が黒いバックから、ガサゴソと音を立てながら、カップに入ったポテト2人分を取り出した。
「いつの間に購入したんだ、それ。」
「トイレ行った時!屋台みたいなところで売ってて。美味しそうだから優斗君と食べようと思って!」
「あぁ、あの時か。ありがと……。」
俺は、彼女からポテトの入ったカップを受け取る。そして、いくらかポテトをつまんだ。外はサクサク、中はふわふわ。ジャガイモのホクホク感が口の中全体に広がる。塩が効き過ぎな気もするが、これはこれで美味い。
「てゆーか、アトラクション中に何か食ったら駄目だろ。既に食べている俺が言うのも……アレだが。」
「ふぇーきふぇ〜き!ほふぃにひなひ!」
……へーきへ〜き!気にしない!と脳が訳してくれた。
「ご馳走様ぁ!で、さっきの続きだけど……。」
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