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暗い
暗い
暗い
でも
あったかい
静かに揺らぐ身体
そうか
私は今
水のゆりかごにいるんだ
目を開けることは出来ない
聞こえてくるのは
あぶくが浮かぶ音と
私の早すぎる心音と
かすかに聞こえる
遠いような近いような
どこか懐かしい
そんな誰かの
声
手を動かそうにも
足を動かそうにも
うまく動かすことは出来ない
別に押し込められているわけではない
むしろ
居心地は良い
ただ一つ
そう
ただ一つ
光が
見たい
別に誰に教わったわけでもない
そもそも
光とは一体何なのだろう
うちに秘めた私が
生まれながらに芽生えた憧れが
頭の中を巡り巡って
生命的本能が求めている
暗い世界も悪くない
でも
見てみたい
感じてみたい
そこに何があるのか
どんな彩りをしていて
どんな音が広がっていて
世界とは何なのか
私とは何なのか
心に満ちた水盆は
とうの昔に溢れかえっていた
閉じた目を
重かった瞼を開けよう
きっと
一度開いてしまったら
二度とは戻れないだろう
この居心地の良い空間から
外に飛び出せば
良いことばかりではない
辛いことや悲しいこと
時には後悔することもあるだろう
それでも
求めていた
望んでいた
世界に溢れているであろう光は
とても素敵なものであったと
掴むべくして掴んだものであったと
そう
いつか
胸を張って言えるように
おんぎゃあ おんぎゃあ おんぎゃあ
私、解禁
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