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アフタヌーンティーを禁止してから3ヵ月、私の体重は変化が見られなかった。
こなるとストレス以外の何物でもない。
好きな物を食べられない事もストレスを溜める原因になっていた。
「茜、外出先でアフタヌーンティーセット食べてるんじゃないのか?」
変化が見られない私に修もイライラを募らせていった。
「そんなことしていないわよっ!我慢して、我慢して、目に触れても我慢しているわよっ!」
お互いにストレスがピークに達していた。
「そんな言い方することないだろっ!俺だって茜のために我慢してるんだぞっ!3ヵ月も経ってるのに全然減量できないなんて、普通ないだろ。隠れて食べてるとしか思えないだろっ!」
初めて修が声を荒げた。
ガシャーン!!
荒げた声に驚いて手にしていたティーカップを落とした。
修と住み始めた時に一緒に買ったウェッジウッドのゴールドとシルバーのティーカップが石材の床で綺麗に砕けた。
「茜っ!ごめん。怪我はない?」
修は駆け寄り私に手を伸ばした。
パシッ!!!
私は無意識に修が伸ばした手を振り払った。
「俺たち、もう、終わりなのか?」
ゴールドのティーカップの破片を眺めながら修が呟いた。
「そうね」
修の発した言葉に胸が締め付けられる程痛くて崩れ落ちそうなのに平静を装って返事をする。
「アフタヌーンティーを禁止したところから終わりが始まってたんだよ」
修が終わりの始まりを口にした。
だめだ、涙が出そうになる。
だから付き合いたくなかったのに。
このままこの場にいては胸の痛みを悟られる。
私は零れそうになる涙を抑えながら鞄を手に家を飛び出した。
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