ピエロ

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合コンに参加することはあっても、“付き合うなら多佳子以上の娘じゃないと…”という俺の中に謎の基準が設定されてしまっていて、合コンした娘と連絡先交換しても結局続かない。 何かにつけて、他の元カノよりも多佳子を基準にして女性を判断してしまっている。 これでは、俺がこの先誰と付き合ったとしても、常に多佳子の幻影が付き纏ってくることになる。 となれば、やっぱり俺は多佳子と付き合うのが一番しっくりくるんじゃないだろうか。 そもそも一度は真剣に好きになり、付き合いたいと告白までした相手。 彼女から告白されたりもした。 お互いタイミングが合わなかっただけで、嫌いになったわけじゃない。 とはいえ。 “友人でいよう”とお互い決めてから、はや2年が経っている。 俺の気持ちも、そんなにすぐ友人モードから恋愛モードに切り替えられる訳でもない。 それは多佳子も同じだろう。 友人だと思っていた俺からいきなり「好きだ!」と言われても、彼女も困るだろう。 ということで、俺は多佳子に告白すると決めてからも、すぐに行動には移さず、少しづつそれっぽい雰囲気を醸し出しながら距離を縮めることにした。 いきなり二人きりで出かけることはせず、共通の友人を含んだグループで出かけてみたり、メッセージアプリでのメッセージ交換の文章も、ちょっとそれっぽく匂わせてみたり。 最近は、彼女も俺のことを頼ってくれるようになり、いろんな相談を受けたりするようにもなってきた。 そんなこんなで3ヶ月経ち、だんだん二人の間に流れる空気も、再び暖まってきた。
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