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明らかに疫病を思わせる異様な死に方だったが、その野鳥を可哀そうに思った子供たちはそのことに気づかないまま野鳥たちを素手でさわり血を拭いてやった。
野鳥たちは祈りをささげられた後、子供たちの手で土に埋められ、手厚く葬られた。
せめて土に埋める前にきっちり焼いていたらと後悔しても遅い。
野鳥は美しい羽根を持つ珍しい種類だったこともあり、アクセサリーを作ろうと考えた子供たちは一緒に土に埋めることなく羽根を持ち帰った。
拭ったとはいえもともとは血に染まっていた羽根だ。
危険なものだったが綺麗な羽根に心奪われていた心奪われていた子供たちがそのことに気づくことはなかった。
「素敵ね」
羽根のイヤリングを見てサシアの母は言った。
夜は子供たちにとって貴重な親と話せる時間だったが、この日は練習が佳境に入っていたこともあり大人たちも疲れ切っていた。
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