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「一体何があったのです?」
緊急性の高い時に使う紫の狼煙を上げたこともあり、オルベリアの王が直々に連絡をくれた。
実態ではないが声だけでなく姿まで見える。
ガレリア一座を代表してサシアの父が話し始めた。
思った以上の状況に王は顔をしかめた。
「オルベリアに入る前に気づいてくれてありがとう。すぐに状況を確認し対策を考えるから、しばしその場でお待ちいただきたい」
王の言葉は重かった。
我が子の命は心配だが従わざるをえない。
せめてもの助けになればと王はガレリア一座に眠りの魔法をかけた。
痛みを感じる力を弱め、病の進行が遅くなるようにと祈りを込めた魔法だ。
子供たちが語った野鳥の話も役に立ち、病の原因はすぐに特定された。
思った通り野鳥たちの間で広がり始めていた感染症だったが、人にも簡単にうつることが分かった。
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