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もちろん氷ってしまう前の外苑も美しかったが、内苑は比較にならないほど美しく、この世のものではないようにさえ感じる。
それもそのはずで、その庭には色とりどりの花びらのドレスを着た妖精たちが飛び交う別世界なのだ。
徐々に数を減らし滅びかけていた妖精たちを救ったのが建国時の国王で、それ以来王家の内苑は彼らのためにあり外苑とは違い自由に入ることができない。
国の中、しかも城の敷地内にある別の国といったところで、庭に入ることができるのは妖精たちの許可がある者たちだけという約束になっている。
かつてはたくさんの妖精たちがどの国でも自由に暮らしていた。
彼らが数を減らしたのは自然破壊が大きな要因だった。
外苑は人の手が入り整備された美を持つ。
対して内苑は自然な美しさだ。
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