溶けない城と眠らない街

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 オルベリアでは毎年秋になると収穫祭が開かれていた。  1年をしめくくる祭りで、城から打ち上げられる大きな打ち上げ花火が開始の合図になる。  普段は控えめなお国柄のオルベリアだったが、この日ばかりは毎年同じ国とは思えないほどにぎやかになる。  他国からの旅芸人も多く訪れ、行商人もたくさん集まるのだ。  王が神に感謝の祈りをささげた後は無礼講で、立場や性別、貧富の差もすべて忘れて夜通し騒ぐ。  皆で最初の収穫を食し、それが終わると冬支度に入るのだ。  そんな祭りに参加するためにガレリアという旅芸人一座がドルギース帝国を通過してオルベリアに向かっていた。  祭りでは1,2を争う人気の旅芸人一座で、歌も踊りも演じる物語も秀逸だった。
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