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楽しみだ!!!!と笑顔で言い切った至高の方の前。
薄い汗をかきながら思考を回す。
…………今俺は薄手の着物(帯なし)だろ…?
そしてベッドから出口はすぐそこだ。
相手はブジーに夢中。
さっき さらってみたところによると 宮の前に門兵はいなかった。
これはいけるのではないか?
薄い着物をたぐり、ベッドから降りた。
「どした?」
「飲み物です」
「そう。逃げるかと思った。」
ぎくぅぅぅぅっっ!!!!
錆びついた機械のようなぎこちない動きで後ろを振り向く。
笑顔の紫梠様。
「まあそっか。逃げたら花街に手配書出されちゃうもんね。まあその前にうちの若いもんに地の果てまで追いかけさせるけど。」
「そ、ですよね………。」
「てか普通はこの宮からそもそも脱出しようって言う考えが起きないよね。この宮一応宮廷の中にあるしね。」
「…………そですね……。」
完全に考えは読まれていたらしい。
「さあ、それでは、」
遊ぼうか。
金属の棒同士がぶつかって、ちり、と鳴った。
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