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気づいた真実が恥ずかしくて、甘いチョコレートケーキを口の中に入れて、また見ないフリをする。
「昔はショートケーキ一択だったのに、最近チョコレートケーキばっかりだから。こっちの方が好きになったのかと思ったんだけど」
知らないフリをしたまま、チョコレートプレートに齧り付く。
「照れてる?」
「なにが?」
「僕がチョコレートケーキが好きだから、チョコレートケーキばっかり選ぶようになってたことに気づいて」
「うるさいな」
「照れてるんだー? こう言う時くらい愛してるとか言ってくれても良いんだよ?」
調子に乗ってきた彼の口には、甘い言葉の代わりにとびきり甘い齧り掛けのチョコレートプレートを突っ込む。
――君が好きだから怒るし、悲しむし、苛立つんだよ。
言わないけど、愛してるよ。心の底から。どんなにむかついても離れるって選択肢を選べない程度には。
<了>
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