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幼馴染み
トキさんに約束してからは忙しくてなかなか下着屋さんに行けなかったけど、ようやく行けたのは久しぶりにトキさんと会う約束をした日だった。
「理世...。ちゃん?」
「...え...?...もしかして...莉央ちゃん?え!ほんとに莉央ちゃん?めっちゃ久しぶりなんだけど」
理世は小中学生の時の幼馴染みだ。背丈も名前もそして顔も似ていて、よく双子と間違われた。だからという訳じゃないけど、ずっと二人で過ごしていた気がする。でも中学生の時、理世の両親が離婚して高校進学と同時に離れ離れになってしまった。何回か手紙でやり取りはしていたけど、高校生になるといつの間にかそれもなくなってしまった。だから会うのは中学生の時以来、実に15年ぶりだ。
「え?どうしたの?もしかしてこっちに戻って来たの?」
「ううん。家族でお買い物。」
「え?家族って...もしかして結婚してるの?って、私たちもう28だもんね。そりゃしてても不思議じゃないか。子供は?」
「二人。で、双子。」
「えっ!双子なんだ。なんだか昔の私たち思い出すね。」
「ほんと、ほんと。私も双子だってわかった時、莉央ちゃんのこと思い出したもん」
「え、やっぱり?」
「うん」
そう言うと理世ちゃんはじっと私の顔を見てきた。
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