第6章「全ては浮かれていた俺の責任」

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「悪いな」 「大志も一緒に探してくれてたんだけど見つからないし! もう、一人行動禁止! オレから離れるな!」  俺の制服の裾をぎゅっと離すことなく、「ほら、次体育だから行くぞ!」と、引っ張る陽。  教室を見渡すと八尾はいないようだった。 「八尾は?」 「いつもの友達と一緒に先に行った」 「……陽も一緒に行けば? 別に俺に気遣うことないけど」 「そしたら優冴が一人になっちゃうじゃん。オレはそういうのイヤなの!」  ”一人になっちゃうじゃん”  この言葉で俺を中の何かがはじけた。いや、分かっていたことだけど、今面と向かって言われた。  陽は今まで情で俺と行動を共にしてくれていたんだ。  俺は陽しか友達がいないから。  俺が一人にならないように……
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