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「悪いな」
「大志も一緒に探してくれてたんだけど見つからないし! もう、一人行動禁止! オレから離れるな!」
俺の制服の裾をぎゅっと離すことなく、「ほら、次体育だから行くぞ!」と、引っ張る陽。
教室を見渡すと八尾はいないようだった。
「八尾は?」
「いつもの友達と一緒に先に行った」
「……陽も一緒に行けば? 別に俺に気遣うことないけど」
「そしたら優冴が一人になっちゃうじゃん。オレはそういうのイヤなの!」
”一人になっちゃうじゃん”
この言葉で俺を中の何かがはじけた。いや、分かっていたことだけど、今面と向かって言われた。
陽は今まで情で俺と行動を共にしてくれていたんだ。
俺は陽しか友達がいないから。
俺が一人にならないように……
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