第6章「全ては浮かれていた俺の責任」

8/11
前へ
/98ページ
次へ
 ――バカにすんなよ。そんな感情で隣にいられても迷惑なだけだ。それなら一緒にいない方がマシだ。 「陽、これから八尾と一緒に行動していいよ。付き合ってるんだから」 「え? いや、だから大志と一緒にいたら優冴が一人に……」 「ガキじゃないんだからさ。別に一人でも平気だし。『一人でかわいそう』とか同情されたくないんだよね」 「は……はあ!? 別に同情で隣にいるわけじゃない! オレは優冴のことを本当に大切な友達って思ってるし!」 「とにかく、俺は一人で平気だよ。八尾の所にさっさと行けば?」  もうすぐ授業が始まるのに、移動もしないで体操着にも着替えないで教室で言い争う。  後から怒られてもなんでもいい。授業なんかより、陽と面と向かって話す方が大事だから。  陽もそう思ってくれているのか、授業始まるから早く行こう、と、急かしてくることはなかった。 「……なんだよソレ。なんでそんなイラついてんだよ」
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

256人が本棚に入れています
本棚に追加