第7章「その余裕さに腹が立つ」

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第7章「その余裕さに腹が立つ」

「再テストは今週なんだ。 頼む、勉強、手伝ってくれ!」 「ヤだ。だいたい、最初に断ったのはそっちだろ。絶対イヤだ」 「ああ? アレは難波がイヤそうな顔してたからだろうが! それに別件で難波を殴りたいほど腹立ってんだよ」 「殴られるのかなって思ってたから草むらにしたんだけど」 「殴るわけねぇだろ。あーもう!」  八尾は苛立った様子で自分の髪をワシャワシャと触った。 「つーか、陽を無視すんなよ。おまえのせいで陽がずっと暗いの知ってんだろ」 「……俺が陽を無視しようがどうしようが、俺の勝手でしょ」 「暗いんだよ、陽が! ずっとてめぇのこと考えてるから、付き合ってる気が全然しねぇし」 「じゃあ付き合ってるって思うようなことしたらいいだろ、恋人なんだし」  俺が八尾に突っかかっていることは分かっている。八尾がイライラしていることも分かっている。  けれど、八尾に突っかかることでしか、このイライラを発散できない。 「おまえ、そんなに陽が大事なら正面からぶつかってこいや」 「……は? 正面からぶつかる?」  八尾がなにを言っているのか分からなくて呆気にとられる。
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