第7章「その余裕さに腹が立つ」

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「ぶつかるって……俺は、ただ……」 「ねちねちねちねちうぜぇな! 俺は陽をしばりつけてもねぇし、学校でも難波と一緒にいたいなら一緒にいればいい。いつも通りの、普段の陽に俺を見てほしいのに、おまえがうぜぇことばっかりするからそれどころじゃねぇだろうが!」 「……だから、見てほしいならそれなりに色々したらいいだろ! 俺のせいにするなよ!」 「んな卑怯なことできっかよ。俺は陽に手出しは一切しないって言ったんだ」  バカかよ、コイツ。  ――もし、俺が八尾と同じように”一ヵ月”付き合えることができたら、キスでもなんでもする。  陽が俺から逃げられないように、心も体も俺のものにしたいって思ってしまう。抜け出すことができないくらいに毎日毎日手出しまくる。  なのに、八尾は俺にチャンスを与えようとする。どんだけ余裕なんだよ。
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