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その余裕さにまた、イライラする。
「その程度なら陽と付き合うな。俺がどんな気持ちで陽から離れたか知らないくせに」
「知らねぇよ。俺は難波じゃねぇし、ましてやおまえの心が読めるわけでもないしな。けど、俺は高1のときからずっと好きだった。だから、アイツがイヤがることはしたくねぇ」
「俺の方が陽のことずっと好きだったよ! だからおまえみたいに軽々しく『好き』だなんて言えない。それに、陽が俺と一緒にいた理由は同情だ。俺はずっと……俺の欲で陽をしばりつけてたんだよ」
「まあ、難波が陽以外の男子と喋ってるのって見ねぇし情が混じっててもおかしくないよな。でも、おまえより信頼しているヤツはいねぇだろ」
「そんなことない。だって陽は八尾と……」
どもる俺の頭を八尾はベシッと叩いた。
「いっ……いってぇな!」
やっぱり結局殴り合いになるんじゃないか。
喧嘩したことはないし、八尾に勝てる気もさらさらないけど、腹が立っている今なら八尾を一発殴れるような気がする。
「前から思ってたけどよ、てめぇ、暗すぎだろ。陽しかダチいらないとか思ってんだろ」
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