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差し出してくれている手を掴み、起き上がると、女の人の『キャー!』という悲鳴が聞こえてきた。
八尾と一緒に悲鳴が聞こえる方へ振り替えると、「難波くん、大丈夫!?」と、俺達の学校の制服を着た女子が遠目で心配している。そして片手にはスマホを持っていることから、きっとまたSNSで上がるんだろう。
「おい、八尾、有名人になる覚悟しとけよ」
「……は?」
「多分、SNSで晒されるぞおまえ」
「ああ!? SNS!?」
八尾は慌ててスマホを取り出し、SNSを見ている。
「俺の名前で出てくんのか?」
「いや、難波優冴って検索すれば出てくるんじゃない」
八尾のスマホを奪い、検索をして記事を見せる。
盗撮された俺に、膨大な数の反応が付いている記事を見て八尾はポカンと口を開けている。
「え、なにこれ、こわ。おまえ晒されてんの?」
「……まあ、晒されてんの」
ドン引きしながら八尾はスクロールする手を止めた。そして、
「……これ、陽」
八尾はポツリと呟いた。
スマホを覗き込むと、俺と陽が校内を歩いている姿が上げられている。
「……ああ、だな」
「アイツの可愛さ世の中に知れ渡ってんのヤバくね!?」
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