255人が本棚に入れています
本棚に追加
自分が晒されるかもしれないということよりも、陽の心配をしている。
分かってる。八尾はそんなに悪いヤツではない。
性格も俺みたいにひん曲がってないし、ただ、陽を好きになっただけのパッと見不良ってだけだ。
八尾が必死にSNSで画像を追っている間に、そのSNSで投稿されてしまったのであろう、いつの間にか辺りは女子校生だらけになってしまった。
「難波くん怪我してないー?」
「そこの不良! 難波くんになにしてんのよ!」
一気に八尾が悪役になってしまった。
「何もないから騒がないで」と注意しようと思ったけど、八尾は女子達にニコッと微笑んだ。
そして、
「友情を確かめ合ってんだよ。あっち行け」
と、今までにないくらいの満面な笑みを女子に見せた。
そんな八尾の笑顔を見て周りにいる女子は目をハートにして「キャー!」と黄色い声をあげている。
――コイツ、人たらしだな。
キャーキャー喚く女子達が気になって、このまま八尾と話をしている場合でもなくなったため、俺達は場所を移動をする。
最初のコメントを投稿しよう!