第8章「今までにない孤独感」

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 大志に”好き”だと言われて舞い上がった。  初めて告白されたことが嬉しくて、大志に嫌われたくないと思ってしまった。でも結果的に、一番嫌われたくない人に嫌われてしまったような気がする。  優冴と話をすることができない今、オレはSNSを通じてしか優冴の行動を知ることができなかった。  記事を読むと、手作りクッキーを優冴の靴箱に入れたとか、手紙を入れたとか、帰りにマフラーを渡したら受け取ってくれたとか、話しかけたら答えてくれたとか、優冴の好感度が上がる記事ばかりだった。  オレは優冴が隣にいてくれない不安が大きいけれど、優冴からしてみると、もしかしたら、今までオレに気を遣って女子と話せなかったのかもしれない。  本当は付き合いたくないじゃなくて、オレが隣にいるから付き合えなかったのかもしれない。  そう考えるとやっぱり、オレは優冴の隣にいない方が良いのかなとも思う。  優冴が隣にいないことで分かったことは一つ。オレが優冴に抱いていた感情は、普通の友達感情じゃないということだ。  もっと違う、特別な何かだ。そう、大志がオレに向けてくれているような……  大志が俺に……  それって……まさか、恋愛感情? いや、でも、そんな……
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