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この気持ちは恋愛感情なんだろうか。今までのしてきた片思いは見ているだけで、だから、全然それで良かった。
……だけど、今は。
放課後、いつものように大志と勉強をしながら優冴のことを考える。優冴に対するソレが、恋愛感情だったらと考えたら恥ずかしくなり机に顔を伏せて「あーーー」と悶えていると、
「おい、陽。大丈夫か?」
「う、うん、ごめん」
大志から心配をされてしまった。
オレが何のことで悩んでいるのかお見通しだったようで、「難波のことか?」と聞いてきた。
「……ま、まあ」
「勘違いしてたらアレだから言っとくけどよ、俺がアイツに『陽に近づくな』って言ったわけじゃないからな」
「そ、それは分かってるよ!」
「アイツが勝手におまえを避けてるだけだぞ」
「…………うん」
言われて頷く。
分かっているけど、やっぱり納得いかない。
「オレ、このまま喋れないのかな」
ボソッと呟いた声が大志に聞こえてしまったらしい、ハアーと深いため息を吐かれた。
「ウジウジ悩んでんなよ」
「……で、でも」
「俺がまた難波と喋れるようにしてやるから」
「…………え」
「だから安心しろ。ほら、集中しねぇと追試落っこちて留年すっぞ」
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