第8章「今までにない孤独感」

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 大志はオレと優冴が仲良くしているのはイヤじゃないんだろうか。 「……なんで大志はそんなに優しいんだよ。オレと優冴が仲良くしてるのイヤじゃないの?」 「あ? ああー、まあ。でも今更だろ。今まで仲良かったおまえらを今更どうにかしたいワケじゃねぇし、俺は陽に好かれればそれで良い」 「…………大志」  目に涙を溜める俺にほしい言葉をくれる。  一見ヤンキーみたいだし、第一印象は良くないけれど、大志には芯がある。自分がこうしたいと思うことは曲げない。  オレが大志に抱いている感情は”憧れ”だ。  大志の良い所を吸収したい。  大志には申し訳ないが、オレの気持ちは完全に優冴に向いている。  追試が終わって落ち着いたら、ちゃんと自分の気持ちを言葉にしよう。大志なら分かってくれる。
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