第8章「今までにない孤独感」

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 返事をせずにいると、俺の部屋のドアがギギッと鈍い音を立てて開いた。 「陽?」  部屋の中に入ってきた優冴には、今俺が布団の中にいることは分かりきっていることだろう。  これ以上誤魔化すのは無駄だ。この際、俺の本音を全てぶつけてやろう。  布団から顔を出し優冴を見る。すると、優冴は安心した表情をしていた。 「陽、今まで避けてごめん」  深々と俺に頭を下げて謝る優冴。つられてゆっくりと起き上がった。 「いや……」 「体調悪いの? スマホも電源切ってるし」 「……体調っていうか、ただ行く気分になれないだけ」 「なんで?」 「なんでって……本当は大志と仲よくしたいって思ってたんだろ。オレに何も言わずカラオケでこそこそと仲深めて……いや、何も言わないのは優冴と大志の勝手だけど……ずっとオレのことが邪魔だったんだろ」  ああ、情けない。本当に情けない。  本当はこんなこと言いたくなかった。でも、ずっとモヤモヤするのはもうイヤなんだ。  あまりの情けなさに優冴の顔が見れず俯く。すると、優冴は「ぜんっぜん仲良くないし、仲良くしたいとも思ってない」と否定した。
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