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言葉を詰まらせると、優冴は「いや、完全に陽の思い込み」と、細い目をオレに向けた。
「お、思い込みなら優冴だってそうだろ。オレを避けやがって。どんなにツラかったか分かんないだろ」
――本当に、言葉に言い表せれないくらいツラかったんだぞ。そう思い始めると、今までのツラかった感情が一気に押し寄せてきた。
やば、泣く……
せめて涙を流さないように、目にめいいっぱい涙を溜める。けれど、そんなオレの頑張りはいつも優冴に見破られる。
「……ごめん。もう、陽がイヤだと思うことはしないから。八尾のことも、もう邪魔したりしないから」
――ほら、そうやって決めつけんな!
「違う! オレは……オレが大志に抱いている感情は憧れなんだ。だから、一ヵ月大志の近くでいっぱい想いを感じで、また……優冴に好いてもらえるヤツになりたいって思った」
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