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こんなのもう、優冴に好きだって言っているようなもんだ。
さっきまで絶望するくらいの気持ちだったのが、今は高ぶる感情に一気に変わっている。
大志、ごめん…………
こんなオレを許して……
目を瞑り、自分の感情を吐き出すかのように叫んだ。
「……オ、オレ、優冴が好きだ。そう、気づいたんだ。だから――」
『だから、優冴もオレを好きでいて』そう、お願いするはずだった。なのに、優冴はちっとも嬉しそうな表情をしていない。なんなら、眉間にシワを寄せて迷惑だとでも言いたそうな顔をしている。
「優……冴……」
「陽のソレは勘違いだよ。俺は陽に同情してもらうように仕向けてた。だから、陽が俺と一緒にいる理由も「同情」だけでしか成り立たなくなった。陽は俺を好きじゃない、同情からくる勘違いだ」
「な…………」
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