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最終章「オレは、親友のことになると様子がおかしい」
こんな時なのに、優冴の好きなところがたくさん溢れてくる。いいよ、もう。檻でもなんでも……
「優冴と一緒にいれるならオレ、どこでもいい。だから、もうオレから離れんな……」
優冴に近寄りそっと抱きしめると、優冴はオレの目から溢れた涙を舐め取るように、オレの頬に口を付けた。そんな優冴の目からも涙が流れているのが見て分かった。優冴はか細い声で、
「俺と付き合ってくれるの?」
と、震えながら質問してきた。
「それはこっちのセリフ」
「言っとくけど、俺、独占欲激しいよ」
「んなの、分かってるから。何年一緒にいたと思ってんだよ」
「俺、陽無しじゃ生きていけないし、離れるっていっても絶対離さないから」
「分かってるって。つーか、それはこっちのセリフだって言ってんだろ」
しつこく自分の愛の重さを問いかけてくる優冴が愛おしくてたまらない。
そんな時、
「おい、てめぇらいい加減出てこいや。遅刻すっぞ」
と、ドアをドンドンと叩きながら急かしてくる大志の声が聞こえた。
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