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ドアを開けると、一番にムッと表情を歪ませた大志が目の前にいた。そんな大志にオレは頭を下げた。
「ごめん、大志! オレ、優冴のことが――『見てわかんだよ。特に難波の顔、何かあったのバレバレ』
オレの横に立っていた優冴の顔を見る。顔は愚か耳まで赤くして、口を腕で隠して恥ずかしそうにしていた。
バカ優冴! そんな顔してたら、キスしましたって言ってるようなモンだろ!
「話し声は聞こえてたから、何があったのかは敢えて聞かねぇ。……難波にはやっぱ、バチクソ腹立ってるけど、陽には腹立ってねぇから」
「……え」
「元々俺が無理やり一ヵ月で良いから付き合えって頼んだんだ。それに口を開けば『優冴、優冴』って。難波のことばっか考えてるのも知ってたしな」
「――ご、ごめん……」
「まあ、俺は難波のおかげで追試合格できたし、バチクソムカつくけど難波には感謝してんだ」
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