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優冴のベタベタは更に加速し、SNSでオレと優冴のベタベタが晒されるハメになっていた。だが、世の中はオレが思っているよりもオレ達に優しく、
『難波くんがBLとか、嬉しすぎて泣いている』『受けの子、受け顔すぎてズルイ、イケメン』というようなツイートをやたら目にするようになった。
……妹の真矢が言っていた通り、オレは受け顔らしい。なんでオレが受け側決定なんだよ。
一人悶々としていると、担任の先生が教室に入ってきた。『難波と水樹。ちょっと職員室に来なさい』そう言われ、意味がないような覚悟を決める。
――これはアレだ。先生にまで知れ渡ってしまったんだ。
優冴と一緒に職員室へ向かう。
先生から発せられた言葉は、分かってはいたが、なんとも答えにくい質問だった。
「水樹、難波。おまえら付き合ってんのか?」
世間はオレ達に意外と優しくても、学校は違う。学校はそもそも勉強をするところであって、恋愛をするところではない。
何も答えることができないオレに変わって、優冴が口を開いた。
「俺が陽を好きすぎるだけです。噂の種は俺が撒いているんで、処分なら俺だけにしてください!」
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