239人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
……なっ、どこまでカッコつけるんだよ! オレはそんなの望んでないし、そんな生半可な覚悟で付き合ってない! もし、何かしらの処分をされるならオレもだ!
「あの、先生……優冴だけの責任じゃなくて、オレも――」
「いや、おまえ達に処分をしたいわけじゃないんだ。そうか。いや、水樹も難波もめちゃくちゃモテるだろう?」
「え、いや。オレはまったく、でも優冴はモテます」
先生が言いたいことは言われなくても分かった。『何でよりによって男同士なんだ』と言いたいんだろう。ぐっ、と、拳を握りしめる。
「オレは男なら誰でも良いわけじゃなくて、優冴がいいんです」
そう伝えると、優冴の手がそっとオレの手に触れた。優冴も同じ気持ちでいてくれているんだと、そう伝わってくる。
先生はカァーッと虚たえるように、「落ち着け、落ち着け」とオレ達を宥めた。
最初のコメントを投稿しよう!