最終章「オレは、親友のことになると様子がおかしい」

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 ……なっ、どこまでカッコつけるんだよ! オレはそんなの望んでないし、そんな生半可な覚悟で付き合ってない! もし、何かしらの処分をされるならオレもだ! 「あの、先生……優冴だけの責任じゃなくて、オレも――」 「いや、おまえ達に処分をしたいわけじゃないんだ。そうか。いや、水樹も難波もめちゃくちゃモテるだろう?」 「え、いや。オレはまったく、でも優冴はモテます」  先生が言いたいことは言われなくても分かった。『何でよりによって男同士なんだ』と言いたいんだろう。ぐっ、と、拳を握りしめる。 「オレは男なら誰でも良いわけじゃなくて、優冴がいいんです」  そう伝えると、優冴の手がそっとオレの手に触れた。優冴も同じ気持ちでいてくれているんだと、そう伝わってくる。  先生はカァーッと虚たえるように、「落ち着け、落ち着け」とオレ達を宥めた。
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