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第1章「顔面国宝級なオレの親友」
2学期の中間テストが迫る中、オレは教室に入るなり今までにないほど頭を抱え、自分の机に突っ伏していた。
オレ、水樹陽は今、盛大に落ち込んでいる。
部活にのめりこんでいるわけでもない、彼女ができることもない。ダラダラと、17年という人生を過ごしてしまったと思う。
オレの青春はもう終わってしまったと言ってもいいかもしれない。
「陽、おはよ」
それもこれも、この国宝級のイケメン、難波優冴の傍にい続けたことが原因だと思う。
黒色のツヤがある髪はサラサラしていて、顔は非の打ち所がないほど整っている。目は二重でパッチリとしていて、鼻筋はスッと通っており、おまけに、ふと笑った時に見せる笑顔はとてつもなくカッコイイ。
男のオレでもドキッとしてしまうほどだ。
そんなパーフェクト男子の傍にい続け早5年。誰一人、告白してくれる子は現れなかった。
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