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男女の朝
神楽家と白金家の両家の縁結びを機に、急ピッチで土地の開拓、地盤の調整、地鎮祭、着工。同時並行で庭の作成。
こんな短期間にこんな豪邸が建つなんて…御近所さんは驚いた。
まるで、目をぎゅっと閉じて開けたらポンと魔法のように現れたと言った。
閑静な住宅街だが、土地単価は脅威の億越え一等地。地主が売り渋っていた空き地を言い値一括で黙らせたのは、他でもない白金家である。
そして、家を建てたのは神楽組率いるスーパーエージェント。黒光りしたムキムキアニキ達が元気よく働く姿は素晴らしかった。
そんなこんなで、最大手同士の政略結婚で得た名タッグの初仕事は、両社の子息子女の新居だった。
あっという間に結婚して、あっという間に式を挙げ、あっという間に完成した新居への移住。
あれから冬を越し、春を迎えた今日この頃…。
両者が二日前伝えられたのは、毎年の恒例行事の進行を担う任務。
様々な業界の重鎮が集う由緒正しき花見会。それを…夫婦で成し遂げろ。
そこである一つの問題が生じた…。
それは、二人には結婚したという自覚が薄く、尚且つ夫婦とは?と言い出す始末。
両者政略結婚で結ばれた身。互いの領域には踏み込まない…が暗黙の了解であった。
そんな二人が結束し、熱愛夫婦を偽装しようと試みた。
タイムリミットまでは、残り三日を切っている。当日を含まなければ残り二日。
さて、勘違い男女は世間を欺くことが出来るのか…。
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