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けど1人でいると考えこむ癖があり、一人暮らしはできても1人で生きていい人間ではないのが分かっていた。だから早く自分の存在を必要としてくれる人に出会いたかった。…まさかその相手が男だなんて思わなかったけど。
「…恋、させてくれよ」
消えそうな声で願ってみる。社畜過ぎて病んでいるのかなと思いながらも、普通の男の人生を手放すより要がいない日々をこれから送るほうがぞっとした。
「?なんか言った?」
「何でもないよ」
聞こえなくていい。一生言ってやらない、俺の気持ちなんか。でもいつか、いつか本当に好きになったら一度だけ自分の気持ちを伝えてもいいかもしれない。
「大好き」
「ずっと一緒に幸せになろうね」
そんな日が遠くない未来に来ればいい。
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