要の恋人

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要の恋人

味噌汁の匂いがする…。良い匂いと思ったところでつばめは覚醒した。 「あ、おはよう」 目を覚ますとつばめの貸したスウェットを着た要が声をかけてくれた。昨日の出来事が一気に脳内を駆け巡る。 「西野院要!」 「あ、はい!」 「老舗レストランで働いていたけど色々あって職場も住む場所も彼女も失った…ごめん。ここまで言う必要なかったよな」 「…事実だからいいよ」 頭の中で整理するとき、つばめは一つ一つ確認するように口にする癖がある。口にすることで整理できるのだ。しかし、名前はともかく要の身に起こった不運は口にするべきではなかった。 「事実だとしてもごめん。軽率だった」 「いいよ、本当に気にしてないし。それより朝食作ったんだ」 ダイニングテーブルには、ご飯に納豆、ねぎの味噌汁、焼鮭があった。まさに日本の朝食である。
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