要の恋人

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「あの要。俺、まずいこと言ったか?」 つばめにとってのメリットを押し出しすぎたか。要が余計な気遣いをしないために言ったけど逆効果だったか。つばめがおろおろすると、要は「僕、嬉しくって!」と声を大にして言う。 「嬉しくてこうなっちゃってるだけだから。つばめが言ってくれたこと、全部、全部…嬉しい。だからありがとう。僕で良かったらよろしくお願いします」 ぺこりと深く頭を下げる要。つばめも立ち上がり要に同じように頭を下げる。つばめが立ち上がる気配を感じてか、要がちらりと顔を上げつばめを見るのを感じた。 「え、つばめ?!」 「いや、こちらこそよろしくお願いしますだから」 「え~!」 素っ頓狂な声を上げる要。その声がおかしくて吹きだすと要もつられて笑う。こんな風に笑ったのって久しぶりだ。心に温かいものが込み上げてきた。
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