要の恋人

9/51
前へ
/78ページ
次へ
「掃除は僕がするよ!住ませてもらうのだからそれくらいさせて!結構得意なんだよ、掃除!」 一生懸命、勢いよく話す要につばめはまた小さな笑みが零れた。 「そっか」 「うん。だから任せてゆっくり休んでよ」 「…分かった」 一応、頷いて手を引いたものの、洗い物をする要を横目に見ながらゲームや買ってそのままの小説や漫画を読むのは気が引けると言うか集中できない。つばめはパラパラと一番お気に入りの漫画のページを捲ってから「やっぱり」と言ってソファーから立ち上がった。 「じゃあ、今日は俺にも家事させて」 「でも、つばめ疲れてるでしょ?毎日終電まで残業してるんだから休みの日くらい…」 あれ、俺、要に毎日終電まで残業してるって言ったけ?つばめは思い出そうとしたが昨日は要を泊めたという自分でも大胆な行動をしたのでその流れで自分が毎日終電まで残業しているという世間話はしているのかもしれない。思い出せないけど。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加