要の恋人

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「あの!」 「お邪魔させてもらっていい?」 いい?と聞きながら女性はずんずん、つばめの家を上がっていく。つばめのほうなんて見ない。部屋が質素すぎるのも気にしていない。彼女は要を本気で探している。魔女のように長い爪が綺麗に飾られているのに凶器のように怖かった。料理人の要はこんな爪の女性と付き合うのだろうかとふと思う。料理人ってこんな爪できないよね。衛生面とか異物混入とか気にする職業だろうし。付き合うとなるとそういうのは気にしなくなるのだろうか。 「隠してるならすぐ連れ出して!そうしないと家宅捜査するわよ!」 「!」 なんでそんなことに。しかも今日会ったばかりの人だぞ。 「やめてください!」 取り押さえて追い出したいが相手が女性なので厄介だ。セクハラと言われ訴えられたらたまったもんじゃない。
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