要の恋人

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あかりは本当に要が帰ってくるまで動くつもりは全くないみたいで、人形のように固まっている。本当はあかりが座っているソファーでつばめはゴロゴロしたいのだけど座られている以上、そんなことできないため仕方なく、掃除を本腰いれてすることにする。いつもは軽く掃除機をかけるくらいだったけど雑巾掛けすると明らかに拭く前と拭いた後の変化が分かるのを実感した今、変化が分かるとちょっと楽しくなってくる。普段は仕事の疲れを言い訳にサボっていた分をやっていると、インターホンが鳴った。 「次は誰!?」 するとチャイムに反応したのはつばめだけではなく、あかりもソファーから立ち上がる。つばめは訪問者を確認すると満面の笑みを浮かべた要が映っていた。面接は合格っぽい。その笑顔が物語ってる。しかし、部屋にはお前を待つ美人なお嬢様が睨みながら待ってるんだけどな…。教えるか迷ったが、逃げていい問題じゃないと思ったので向きあわせるため、あえて言わず、「上がって来いよ」とだけ自然な感じを努めて言った。
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