要の恋人

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あかりの声を遮ったのはつばめだった。突然、つばめに遮られたことにあかりは一瞬ぽかんとする。要も絶望の目をしながらつばめを見た。 「要は言っていたよ。あーちゃんがいないとだめだって。僕にはあーちゃんしかいないって。それは恋とは違う感情だったとしても恋する相手よりあんたといる時間を人生の優先順位としていたんだろ?恋人になれるように頑張ったんじゃないか?俺はあんたらの関係に口をはさむべきではないと思うが傷つけている部分を見過ごすことはできないよ」 部屋がしんとした。言いたいことは言った。言い合いの場所を提供しているのはつばめだ。ちょっと口出しする権利くらいはいいだろう。 するとぽかんとしていたあかりが「くくっ」と笑い出す。 「何がおかしいんだよ」 つばめが眉を顰めるとあかりはとても愉快そうに「いいことを教えてあげる」と言った。
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