要の恋人

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「後悔ばかりだよ」 よかったと思えることのほうが少ないかもしれない。何度も何度も人生をやり直したいと一番人の人生で輝いているであろう時から思っていたよ。 「人のこと言えないじゃん」 「そうだな」 本当に人のこと言えない。けどな、 「幸せを願うのなら、まずは自分が幸せにならなきゃ」 「どっかのドラマのセリフみたい。っていうか聞いたことある気がする」 まだ拗ねたように蹲りながら答える要につばめは呆れる。まあそんな風に言いたくなる気持ちは分かるが、いつまでその状態を続けるんだ。その状態で何かこの先、変わるのか?過去も自分の性格もあかりの気持ちも変えることができるのか?できないだろう、どれも。 「いつまでグダグダ言ってるんだ!」 あかりがこの様子を見たらきっと怒るだろう。あんな言い方してたけど、きつい部分もあったかもしれないけど、要があかりの幸せを願うようにあかりも要の幸せを願って決別したんだ。こんな状態になってほしいわけじゃないはずだ。
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