君に胃袋、つかまれた

要の恋人

「俺のどこが好きなんだ？」
元カノはどう言っていたっけ。思い出そうとして止めた。余計な思い出も芋づる式に出てきそうだし。
男から見る俺の魅力ってなんだろ。平凡すぎる顔だと思うし、中肉中背だし、とにかくパッとしていないのは自分でも分かってる。それに比べて要は毛穴が見えないくらい綺麗な色白の肌は人形みたいにすべすべで、顔のパーツも配置も整っている。中性的な顔ということもあってボーイッシュな女の子ですと言われたらそうなんだと思ってしまうくらいだ。つまり、つばめとはタイプが違うし、つばめ自身、自分のどこがいいのか分からない。
「…えっと、秘密？」
頬を染めてもじもじしながら言う要。特別知りたかったわけではないが秘密にされると気になるのが人というものだ。
「本当に好きなわけ？」
また試すようなことを聞いてしまう。つばめは別に要に恋してるわけでもないのに。