要の恋人

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「俺ね、恋愛対象は女だから。要の求める関係にはなれる未来は見えないけど、胃袋掴まれちゃったから」 「へ?」 素っ頓狂な声を上げて目を真ん丸にしてしゃがんでいた姿勢から立ち上がる要。なんか、こういう動物いたぞ。 「あ、ミーアキャットだわ」 どこで覚えたか分からないけど、つばめはその動物を知っている。 「み、みーあきゃっと?」 聞いたことのない言葉をかみ砕いて分かろうとしているけど、きっと分からないだろう。つばめはちょっと笑いながらスマホで検索して写真を見せると要はその写真を凝視しながら、 「キャットっていうから猫かと思ったらマングース系じゃん」 と言い、そのミーアキャットと先程の要が似ているというと、「えー、可愛くないじゃん」と妙にショックを受けているみたい。つばめ的には可愛いという意味で言ったつもりだけど。いや、恋愛的に見てとかじゃなくて。
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