要の恋人

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ただ、今までは男を恋愛として見るなんて自分は絶対ないと思っていたけど、今はその「絶対」が消えかけているのを感じる。 あんなに純粋に好きと言われたらその気持ちを汚いものとは見れない。 自分を好きと言ってくれる人がいたら優しくしたい。 心配されたら「ありがとう」と言いたい。 つばめも自分を想ってくれる人に優しくしたい。 温かい優しい料理を「美味しい」と言いながら共に食べたい。 それができるってすごく幸せで尊くて奇跡なんじゃないか。 そしてその奇跡が目の前にあるのに男だからという理由で手放すのか。 つばめにはできなかった。 久々に心に灯ったあの温かな人の感情をこれからも持っていたいと思った。
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