魅惑のMerry Xmas

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『ただいま…、帰ってきた』 「え、……は?なんで?仕事は?」 『麻里に会いたいから、秒で片付けてきた…………って言えたら、カッコよかったんだけどなー』 全部放り出してきたんだわ…と、苦い表情を浮かべて、くしゃりと破顔するから、あまり見ないその顔に思わず目が釘付けになる。 『今日に限って、かなり残ってて半分も終わってねーの。だけど、残りは佑真が引き受けてくれるって言うから、全部任せて飛んで帰ってきた』 「佑真?あ…、貴公子ね…。や、でも、大丈夫?よかったの?」 『大丈夫、余裕余裕。むしろ、代わりに出張分の売上は全部よこせって交渉してきて、今日決まった大口3件持っていったくらいだし、しっかりしてるわ…。ま、優秀な部下を育てた俺、グッジョブじゃんな?』 今度は相変わらずの調子で愉しげな笑顔を向けてくるから、不意打ちすぎて不覚にもキュンとしてしまう。 「あの…莉乃はケーキ買いに行くって今行ったんだけど…」 『ロビーで会ったよ。それ嘘だから。俺が帰れるって移動中に山内に連絡したの。だから、麻里によろしくって…』 「なにそれ…」 『やっぱ気付いてなかった?山内は「わざとらしかったかな?バレちゃったかも…」とか言ってたけど』 「そんなこと思いもしないって…」
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