魅惑のMerry Xmas

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思うわけないじゃん。 仕事最優先の男が途中で放り出して帰ってくるとかさ…。 『麻里、もういい?我慢できないんだけど』 え?何が?と、顔を上げて口を開くより先に、噛み付くように唇を奪われた。 後頭部と腰に回った手に誘導されて、あっという間に壁際に追い詰められる。 ざらりとした感触で掻き乱されて―――――… 「んっ……」 喉元から、意思とは無関係の声が漏れる。 後ろでパタンとドアが閉まる音がした。 息もできなくなるほど求められて、絡められて、熱を伝えきって、ゆっくりと離れていく―――――…。 黙ったまま、見つめ合う。 両手に包まれた頬が熱い。 蒼は切れ長の瞳をすっと細め、私の目尻をそっと指先で拭うと………、 『泣いてた?』 「……べつに、」 こういうの、すぐに気付くから嫌だ…。 否定したところで誤魔化せるはずもなく、口ごもると、どういうわけかニヤリと口角を上げて覗き込んでくるから、嫌な予感しかしない。 『なんで?一人で寂しかった〜?』 「や、莉乃を待ってただけだし…」 『ふ〜ん。泣くほど、俺が恋しくなっちゃったの?』 「いや、そこまでじゃ…」 『だよな。麻里って、俺のこと愛してるもんね』 「おい、話聞け」
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