魅惑のMerry Xmas

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あのヤロウ、これは浮気の可能性大だわ。どうしてくれよう。 とりあえず、今からビデオ通話かな…。 ソファに座り込んで対策を考えている私の向こうで、莉乃は『クリスマスツリーもあるよ!』と、はしゃいで携帯片手にバンバン写真を撮っている。 だよね。私も後で記念に撮っておこう。一応ね。 そんなことを思いながら、携帯画面の蒼の名前をタップする。 着信音が流れ始めても応答はなく、ほどなくして切れた時、疑惑が確信に変わった。 はい、浮気確定ー、なんじゃないですか? 「莉乃、出ない。完璧クロだわ」 『えー…そうなの?でもさ、昨日の午後は真剣に部長と打ち合わせしてたよ』 「ああ、そう。けど、夜は分からないじゃない。爽やか貴公子と2人で行くんでしょ?イケメン2トップが無法地帯なのよ?」 『イケメン2トップ、無法地帯…』 あはは…と笑うから、「笑うところありました???」と突っ込めば、『ごめんごめん』と。 『けど、どうだろ?今頃、懇親会とかなんじゃない?中條にそれはないんじゃないかな?』 「蒼だから(・・・・)あるんでしょ。なんで急に蒼の肩持つの?」 『いや、べつに…。けど、実際、たしかに愛されてるじゃん?高級ホテルのディナーに、高層階のスイートルームとかさ』 「こんなの単なる罪滅ぼしでしょ。理由はドタキャンじゃなくて浮気(・・)だったみたいだけどね」
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