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「はい負けた。」
から首締めるのやめろ。
「よろしい。」
体を捕まえていた手を離してくれた。
「じゃ、風紀室行くか。」
負けたからには潔く向かおうじゃないか。
と言いたいところだが、
「蒼依くん………腰が痛くて動けない。てか身体全部痛い。蒼依くんのせいなんだから、僕を運んで。」
割と本気で動かせない。
投げられたところも痛いし、さっきのはやっぱり落ち方にとどめ刺されたようだ。
蒼依くんに頼むと変な持たれ方をされるのであまり頼みたくはないのだが、背に腹は代えられない。
「腰が痛いって……この学園で言っちゃいけないセリフ上位ランクインしそうな言葉だな。無意識だろうが。」
「運んでくれるの?くれないの?」
「運んでやるよ。鎮静剤打ってからな。」
「注射は嫌だ。」
「嫌がる水樹が見たい。」
「………このサドが。」
「できるだけ痛くしてやろう。安心しろ。多分安全だ。一応は保険医のお墨付きだから。」
「多分とか一応とか心配になる要素しかないんだけど。痛くする気満々だしさ。やめてよ。注射とかいらないよ。」
「さ、やんぞー。」
話聞け。
「やだって、っ!!」
「ほらうるさい。」
黙らせたいからと言って首絞めないでほしい。
懐からカバーの付いた小さい注射器と薬液の入った瓶を取り出す蒼依くん。
「そのままやるんか。」
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