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「図書委員長、」
「…………」
「図書委員長!!音胡!!!」
さっきからずっと読書をしていたのが図書委員長か。察してはいた。
音胡先輩には聞こえていないようで、隣の深水先輩が肩叩いたりつついたりしていると、ようやく一瞬目を上げてちらりと僕らを見た。
「………」
そしてそのまま視線は本に戻っていった。
「っ、こいつ」
若干キレ気味の深水先輩がスマホを取り出して、ライトを音胡先輩の目に当てると、ようやく顔を上げた。
「僕の読書の邪魔すんな。」
ギロリと深水先輩を睨んだその目は、何人か殺してるんじゃないかってくらい怖かった。
深水先輩の椅子が後ろにずれた程度には。
「次はない。」
そしてそのまま本に帰っていった。
何だこの人。怖い。
「音胡ちゃんは後回しでいいっしょ。残りどうせあと5分とかだし。俺から言うよ。」
茶髪のちゃらそうな人が立ち上がった。
若干漆とキャラ被ってる気がする。隣の漆からも若干緊張が。何委員だ。
「学習の穂積でっす。」
まさかの学習。
「一応委員長することになったからにはちゃんとやります。わかんないとこあったら聞きますし、聞いてください!!」
爽やかだった。
「あと、そこの音胡ちゃんと割と幼馴染なので取り扱い困ったら来てください。」
すごくいい人そうである。ごめんねちゃらそうとか言って。
「まだ図書言えなさそうなので……次は保健お願いします。」
「了解。私が保健委員長の傘音 繍衣だよ。来ないことを願ってはいるけど、皆がもし保健室に来ちゃった時は優しく治療してあげるから安心してほしいな☆」
いい人そう。なんか可愛い。
「ありがとうございます。本音は?」
「え、それ聞く…?」
「一応知らない人いるので。」
「保健室に怪我で来ても小さい怪我は治らないので来んな。大きい怪我はちゃんと治療するけど、小さい怪我なら相手にしないので職員室に行く方がマシです。でももし別の意味で保健室に来る場合は丁寧にお相手したげるからよろしくね、って言う意味。」
「よしいいですね水樹。絶対保健室には行っちゃだめです。」
「なんで僕に言うの渚くん。」
それに丁寧に手当してくれるならいいじゃん。
と思ったけど、性的に相手をするって意味なんだって。うわ。
「えぇぇ狙ってたのに。」
「お前だけは近づけない」
「酷いなぁ。水樹くん、ハーゲンダッツ奢ったげるからあとでおにーさんと話そ?」
「やった。」
「だめ!!」
犯されたくないならついていくな!!って漆にも言われた。そんな危険人物だったとは。
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