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「次、体育委員長、おねg「よっし……!!」」
渚くんの声を遮り、ぱたんと本を閉じた図書委員長が大きく伸びをした。
読み終わったらしい。すごく機嫌が良さそう。さっき睨んでた面影はどこにもない。
集中する視線を浴びて、キョロキョロと周りを見回した。
「ん?どした?」
「本読み終わった?」
「ん。」
学習委員長と笑顔で話してる顔は、さっき睨んでた人とは到底思えないほど穏やかだった。
「じゃあ、図書委員長挨拶お願いします。」
「あ、はぁい。もう僕の番だったんだ。図書委員長の音胡 沙霧です。仲良くしてね。趣味は読書と情報収集。知らないことを知るのが好きです。よろしくお願いします!!」
「追加で、音胡ちゃんは読書中に邪魔するとブチギレて何するかわかんないから気をつけてー。」
「もう穂積!!そこまでじゃないって!!危険人物みたいに言わないでよ」
「ふは、ごめんごめん」
この姿は普通に優しいお兄さんなんだけどな……。さっきのが怖すぎたな。
「次、体育委員長………はぁ」
渚くんがため息を付いた。
一人だけスヤァと違う世界にいる人がいる。
さっきから気になってたけど、皆の視線の方向からしてあれが体育委員長か。起きる気配がない。
「起きろ馬鹿。」
「んがっ!」
彼は渚くんから頭をぶっ叩かれてようやく起きた。
「挨拶してください。」
「あー、成程。OK。俺は真火 力。座右の銘は『力こそパワー』だ。よろしく。」
力こそパワー。
それっぽさだけはある言葉だ(逆にそれ以外ない)。
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