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ぱん、と。
渚くんが手を叩いた。
「続いては、新入生歓迎会について考えましょう。警備からお願いします。」
「ああ。風紀からは警備の強化について。例年生徒会役員たちが狙われている。去年は黎明先輩も危険な目にあいかけただろ。霧谷先輩も黎明先輩も強かったから問題なかったが、今年は去年と比較するとやはり警備に不安があるので補強したい。」
「何があったの?」
悠唯くんになにか危険があったのか。
「あーー、水樹はいなかったね。去年、新歓で前会長が拉致られたんだ。」
「え、」
「蒼依が秒で気付いて風紀招集して、招集してる間に蒼依だけ先に一人で入ったんだ。風紀が駆けつけた時にはもう2人で全員気絶させちゃってた。」
「それで、招集が遅いと霧谷先輩からブチギレられて、風紀は全員その後兎跳びで校庭10周させられたんや。」
「悪夢じゃん。」
「じゃあ…、生徒会役員で警備……手伝、う?」
「いや、生徒会役員が新歓不参加となると士気の面で少々不安がある。そこで、情報部の監視カメラシステムを使おうと思っている。丁度そこに情報部部長もいるしな。」
「えーーーやだよ!!!!うちの監視カメラはうちの部の萌えのために大切にされてるの!!!!」
「うるせえ下手なこと起きてからじゃ遅えだろ!!」
「でも!!!」
「くっそ…どうしようか…」
「あ、」
漆がぽん、と手を打った。
「どうした柳楽」
「如月先輩、BL好きですか?」
「大好き。」
「俺と水樹のBLに需要は?」
「ちょっと待って嫌な予感する」
渚くんのもとへ避難しようとしたけど漆の手が僕の膝を押さえてて立ち上がれない。
「俺はなぎみず派だけど需要しかない。」
「じゃ、俺と水樹のキスシーンで手を打ってもらえないですか。」
「おい!!!」
「ちょっと待って漆!」
渚くんが漆に殴りかかろうとするも、漆の足に止められる。
そういや漆って極道一門の息子だっけ。
「…………まだちょっと足りないなぁ。」
「じゃあ推しカプは?」
「あおみず。」
「分かりました。新歓に呼びますね。」
「契約成立だね」
二人は固い握手を交わした。
何を言っているのかは分からないが。
どうも、僕は売られたらしいことはわかった。
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