緊張しすぎた

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 そうこうしているうちに、電車が目的地についた。置き忘れないようカバンをしっかり持ち、駅へ降りる。 「ねえ、なにあれ」 「え?うける」  すれ違った女子学生が、自分を指さしてクスクス笑っていたように見えたが、恐らく勘違いだろう。  改札を抜け、駅を出て、会社へ向かう。  この時間は、自分と同じく仕事へ行く人達の流れが多くなっている。皆、目的地を目指し、あくせくと足を動かしている。  そんな中、道行く人が自分をチラチラと見ている気がする。  自分が誰かに見られているのではないかと気にする精神疾患があるらしいが、それは過度な緊張が原因で周りに集中しすぎるあまりになってしまうものだと聞いたことがある。  そんなところだろうと、気にせず会社まで真っ直ぐ歩いた。
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